2023年11月11日 全日本大学アメリカンフットボール選手権 名城大戦
■8度目の全日本挑戦も無念の敗戦。神田-宮崎が意地のTD
ビッググリーンのポストシーズンの初戦となる全日本大学アメリカンフットボール選手権の1回戦、名城大戦が11日、岐阜市の長良川球技メドウで行われ、北海道大は6-33で敗れた。2年連続8度目の出場の北海道大だったが、今年も初戦で涙をのんだ。
第1Q開始早々、名城大にTDパスで先制を許す波乱の幕開けとなった。北海道リーグで鉄壁を誇ったDB陣が相手エースWRに振り切られた。北海道大は続く攻撃シリーズで自陣30ヤードから、RB榊琢也(4年、札幌東高)の連続ランで前進。敵陣1ヤードまで攻め込んだが、TDを狙ったパスが決まらず、絶好の反撃機を逃した。
第2Qは、北海道大DL石生晶也(1年、大阪・高槻高)のQBサックなど序盤は守備合戦になったが、8分に名城大にパスで追加点を奪われた。北海道大も11分、WR/K日高耀(4年、福岡・北筑高)が40ヤードのFGを狙ったが、惜しくも失敗。前半を0-13で折り返した。
第3Qも立ち上がりはLB鯨井雅生(4年、埼玉・川越東高)のロスタックル、DL浅井聡太(4年、東京・都立西高)のQBサックなどで一進一退の攻防になったが、10分に名城大にランTDを許した。直後のキックオフで捕球ミスから攻撃権を名城大に奪われると、第4Q3分と8分にもTDを追加された。
ビッググリーンが意地を見せたのはその2分後。敵陣32ヤードからの攻撃シリーズでQB神田智史(2年、東京・麻布高)がWR川村虎鉄(2年、宮城・仙台第三高)へ連続でパスを通して第1ダウンを更新し、最後はQB神田からWR宮崎大地(4年、兵庫星陵高)へ20ヤードのTDパス。6点を返したが、反撃が遅すぎた。
北海道大の降梁祐介ヘッドコーチは「全国の強豪をイメージして練習してきたが、カバー仕切れずに名城大に許した先制TDなどレベルの違いを克服できなかった。敵陣1ヤードまで攻め込んだ場面も反則でふいにした。自滅だった」と残念がった。
WR宮崎は「相手守備選手2人にカバーされ、かいくぐれなかった。悔しいというより情けない」と肩を落とし、力走を見せたRB榊は「前が空き、走りやすかった。自分の足で同点にできていれば、試合展開も変わっていた。実力不足」と口元を引き締めた。主将のDL大島夕輝(4年、札幌国際情報高)は「守備はすべてのプレーがあと一歩だった。全国との差を超えられると思っていたのだが」と振り返り、LB鯨井は「ハードヒット・ハードタックルで来年以降もやってほしい」と後輩たちに託した。
一方、LB千葉克真(3年、埼玉・花咲徳栄高)は「力の差は大きくないと感じ、もっと戦えた。体作りやプレーの理解度を高めたい」と決意し、故障でサイドラインから見守ったQB山本康介(3年、奈良・奈良学園登美ケ丘高)も「早い段階で1本TDが取れていたら、さらに2、3本取れた。来年はTDを取り切るチームに」と巻き返しを誓った。